静夜思 初盆
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初盆

2014-08-17

娘が旅立って初めてのお盆がやってきた。
先週末、急性胃腸炎でひっくり返った私は、その胃腸炎が落ち着くか落ち着かないかのうちに激しい腰痛に見舞われ、座ることも横になることもままならない状態へと突入。
まさに弱り目に祟り目。
日曜から月曜の朝にかけては一睡もできないまま、腰を押さえて自室の中を徘徊老人のように歩き回る羽目になった。
横になったり座れるのは鎮痛剤が効いている2~3時間のみ。
結局、休むつもりなどまったくなかった仕事を、水曜まで休んで呻吟することとなった。

まあ、幸いにも我が家にはその道のプロがいるので、家で治療をしてもらって木曜には無事仕事に復帰し、金曜の夜からは鎮痛剤なしでも朝まで眠れるようになったが、なんとも情けない話である。

腰痛の原因は心因性のものとの見立て。

自覚のないまま普通に日常生活を送っているつもりだったが、躰は正直なもので、自分の中に押さえこんでいた感情がストレスとなって腰椎の一番下の部分に影響を及ぼし、奇しくも娘とおなじように捩れた状態に陥ってしまったらしい。
人生初の腰痛を体験したわけだが、娘もさぞや痛かったことだろうと、無邪気な笑顔でなんでもなさそうに日常を送っていた娘の強さに改めて驚かされた。


まあ、そんなこんなで気づけばお盆が始まり、いつのまにやら終わってしまっていたわけだが、そのお盆に相応しいエピソードをひとつ。
別段、娘が夢枕に立ったとか、家の中で怪奇現象が起こったとか、そんなことではないのでご安心を。

先月の末頃だったか、職場で昨年直属だった上司と会った。
私が猫かわいがりして我が儘放題だった娘を「バカ犬」と呼んで笑っていた人で、娘の死を伝えたところ、

「そっか。残念だったね。でもあんまり悲しみ過ぎちゃダメだよ。いつまでも悲しんでると『上』に行けなくなって、転生できずにこの世で彷徨うことになっちゃうから」

と、その死を悼んでくれた。
そして、

「でも淋しいね。これでちっちゃいコだけになっちゃったね」

と続けた。

……………………? ちっちゃいコ?

はて?と首をかしげながら、
「あの、うちに『ちっちゃいコ』はいませんが???」
と尋ねると、途端に上司も

「え???」

と。

「いやだから、うちにいるのは、あなたが『バカ犬』と呼んだでっかいのだけでしたが?」

と重ねて言うと、ふたたび上司も奇妙な顔になって

「………………え???」

と。


そのまま一瞬ふたりで無言のまま見つめ合ってしまった。
彼女はじつは霊感が非常に強い人で、我々には見えないものがわりと日常的に見えてしまう人であった。
で、思わず、

「あの、なにが見えてんすか?」

と尋ねると、

「いや、わかんない! わかんない!」

とあわてて首を振る。
そしてそのまま立ち去っていこうとするので大急ぎで呼び止め、改めて質問を重ねてみた。すると、

「いや、ホントわかんないけど、あんたがバカ犬の話をするとき、いっつもちっちゃい犬が傍にくっついてるイメージがあったから、てっきり一緒に飼ってるのかと思って」

と言うではないか。
いや、飼ってたらちゃんと話題に出しますって(笑)

そのちっちゃい犬とはどんな犬かと、根掘り葉掘り尋ねると、上司はやや及び腰になりつつも、

「え~と、だから、なんか茶色っぽくて白っぽくて、毛がまっすぐで長い犬?」

 ……………………。


なんと、それは私が子供の頃に飼っていた、初代愛犬であった。

「なんかさ、よくわかんないけど、いっつもバカ犬の頭の上のほうにいて、よく一緒に2匹で遊んでるイメージがずっと私にはあったよ? 飼ってるんじゃないの?」

ええ、飼ってましたとも。20年ほど前に既に他界してますが……。


そのときはそれでその話は終わりになったため(なんせ仕事中である(笑))、後日改めて上司にその話をすると、自分で言っておきながら、事実を知った途端に「全身に鳥肌が立った!」と申しておりました(笑)
20年も前に亡くなっているので、私がその愛犬の話を上司にしたことはない。
当然ながら上司も、
「知らない。あんたが子供の頃にそんな犬を飼ってた話なんて一度も聞いたことがない!」
と断言するわけで、世の中にはなんとも不思議な力を持った人がいるものだなぁと妙に感心してしまったのだった。

「きっとさぁ、バカ犬のことが心配で、ずっとくっついて見守ってたんじゃない?」

というのが上司の見解で、たしかに、いつ、どんな事故が起こってもおかしくないほど気性が荒かった娘が、大きな事故を起こすこともなく11年間無事に過ごすことができたのは、初代愛犬の加護によるものだったのかもしれない。

上司は私に言ってくれた。

「なんだかんだ言ってもさぁ、バカ犬は幸せだったよ。間違いなくまだその辺にいて、あんたの周りをうろちょろしてるはずだから、見えなくてもたくさん彼女のことを想ってあげてさ、それで49日が来たら、笑顔でありがとうって送り出してあげるといいよ。痛みから解放されて、上の世界で楽しく遊んでおいでって。そしたらバカ犬も安心して『上』に旅立って、生まれ変われる準備に入れるからさ」


私には霊感がない。
死後の世界や転生といったものが本当にあるのかどうかもわからない。
だけど、娘がふたたび元気に生まれ変われるならば、たくさんの幸せをありがとう、元気に楽しく遊んでおいでと送り出してやるのも、彼女からの愛情を、ひたすら一心に注いでもらった私の使命なのかもしれないと改めて思った。

まあ正直、不調の原因が精神的なものと判明して、張りつめていた気力が一気に萎えてしまった状態がここ数日続いているのだが、それでもゆっくり、穏やかな気持ちで娘を想いながら、送り出す準備をしていきたいと思う次第なのである。

まだ1ヶ月だからさ。
そんなあわててきっちり心の整理をしなくてもいいよね。うん。

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